ジオパーク地質専門員
殿谷 梓さん
険しい山々の間を流れる吉野川、傾斜地に点在する集落……三好市の風景はいったい、どのようにして出来上がったのだろう? ジオパーク地質専門員の殿谷梓さんが語る「ジオ(大地・地球)目線で景色を見ることの面白さ」とは。
今私たちが見ている景色は、この瞬間で完成ではなく、変わり続けています。例えば吉野川は、常に山を削り、土砂を運び、土砂がたまって平野を作り続け、日々新しい地形を生み出す。四国山地や阿讃山脈は地震によって盛り上がり、変動し続ける。三好市は、3億年前の礁の痕跡が化石として現れたり、地下数十kmもの深さで圧力を受けた岩石が川辺で見られたりする「数億年前から現代までの大地の変動を感じられる場所」なのです。
三好市の傾斜地集落は、かつて地すべりを起こし、ゆるやかになった斜面に人が住み着いてできました。このあたりの大地を作り出す主な岩石の一つ「泥質片岩」は、一定方向に割れやすい岩。風化すると地すべりの原因にもなります。一方で、「ひの字渓谷」のある場所は砂質片岩からでき、割れ目が垂直になるため、急峻な地形を生み出す。妖怪の伝承が多いのも、土砂災害が多い急峻な地形で暮らしていくための工夫。大地と自然が、人々の生活と歴史を作り上げてきたんです。
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大歩危の背斜構造
道の駅大歩危のあたりからリバーステーションWest-Westのあたりにかけて、「褶曲」という地層が凸の形になった現象がよくわかります。
※道の駅大歩危
〒779-5452 徳島県三好市山城町上名1553-1※リバーステーションWest-West
〒779-5451 徳島県三好市山城町西宇1468-1
みよしジオガイドが案内する
「ジオツアー」で三好市の魅力を知ろう!
ジオツアーの「ジオ」は日本語で「大地の」という意味です。 池田市街地コースや大歩危小歩危コースがあり、三好市の人々の暮らしから大地の特徴まで“丸ごと”楽しめます。 三好市の大地や歴史文化のことをより深く知ることができるジオツアーに参加してみませんか?
お問い合わせ
三好市観光協会
TEL:0883-76-0877(平日9:00~17:00)
※申込締切はプログラム開催日の3日前まで
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