祖谷雑穀生産組合 組合長
杉平 美和さん
歩くことすら大変な急斜面で、農業を行っている地域がある。徳島県三好市の祖谷地方では、なぜこんな「斜めすぎる畑」がたくさんあるのか? 祖谷に暮らす人々の知恵を、この地で雑穀づくりを手掛ける杉平美和さんに伺った。
見ての通り、祖谷っちゅうたら山ばかり。斜面に畑を作ろうとすると、無理に平地にしたら面積が減ってしまう。じゃったら斜面をそのまま畑にした方が効率がいい。畝(うね)を斜面に対して水平にしたり、カヤを敷いて土が流れるのを防いだり、いろんな工夫をしてここで生きてきたんよ。昔はもっと畑も広くて、葉たばこ、雑穀、大豆、芋や野菜、田んぼ……食べていくためにいろいろな物を作っとった。牛も飼っとったな。
カヤは、祖谷の農業には今でも欠かせんもの。畑に撒けば冬の寒さを防いでくれるし、春に畑を耕すときに土にすき込めば肥料にもなる。カヤを保存するため、秋になるとみんなでカヤを刈って「コエグロ」を作るのも大切な作業よ。ここでの農業は大変じゃけど、水はけがいいこの土地だからこそ穫れる恵みもある。ソバも芋も、下で穫れるもんとは味が違う。この風景と農業を、守っていきたいと思っとるよ。
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2019年11月9日(土)、龍宮崖公園にある観光案内所の周辺で「奥祖谷産直市」が開催。祖谷で穫れた農作物を購入できるほか、雑穀やジビエ料理なども味わうことができます。食欲の秋を満喫しよう!
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旅の宿 奥祖谷(谷口食堂)
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