都築 麗子さん
秘境、奥祖谷では寒暖差の激しい土地柄から香りの良いそば粉が栽培されていた。そのそば粉で作られた徳島県三好市の特産品“祖谷そば”はツナギをほとんど使っていないため、太くて短いという特徴がある。
祖谷そばを手打ち体験できる“奥祖谷めんめ塾”では、そばの打ち方を教えてくれるだけでなく、奥祖谷に古くから伝わる“粉引き節”という民謡を歌いながらそば打ちの体験ができる人気の観光スポットだ。そば打ちの技術と奥祖谷の文化について同時に学べる奥祖谷めんめ塾について、都築麗子さんに話を伺った。
元々はパン屋を営んでたんやけど、大手のメーカーが祖谷でもパンを売るようになって、設備が整っていない我々は追い込まれていったんよ。だから、そばも作るようにしたんやけど、祖谷では各家庭でそばを作るのが一般的だったから最初は売れるとは思わんかった。けど、時代の変化で共働きの家庭が増えて、思ったよりも繁盛して。麺類専門にしてもいいかなと商売することにしたんよ。料理を出すだけじゃなく、そば打ちも体験してもらうことにして。そば打ち体験の良いところは、打ち立てのそばをその場で食べてもらえること。打ち立てのそばは“ざる蕎麦”で食べてもらうのがオススメ。良い香りを嗅ぎながら祖谷そばをすすってほしい。
最近では、奥祖谷に観光客が増えてきてそば打ち体験は楽しんでもらえてる。そば打ちだけじゃなく祖谷の文化にも触れてほしいと思って、祖谷に古くから伝わる民謡を歌いながらそば打ち体験してもらうようにしたんよ。民謡は外国人観光客に評判が良くて、涙を流しながら聞いてくれる観光客もいるんよ。歌詞の意味はわからんと思うけど、幼少時代を思い出して心にジーンとくるんじゃと。2020年はコロナの影響でお客さんが減ったけど、落ち着いたらそば打ちと祖谷の文化に触れてもらえる“おもてなし”をしたいね。
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奥祖谷二重かずら橋
祖谷のかずら橋といえば、西祖谷のかずら橋が観光客には一般的かもしれんけど、奥祖谷にあるかずら橋はまさに秘境。静かな雰囲気も良くて是非行ってほしいね。
奥祖谷めんめ塾で
そば打ちを体験しよう
おいしい祖谷そばを自ら作って食べて、奥祖谷の文化に触れながら、都築さんの美声による民謡を聴ける一石三鳥の体験塾。太く、短く、香りが良い作り立ての祖谷蕎麦をいただいてみませんか?