織田信長に先駆けた武将知っとるで?

三好長慶武者行列まつり実行委員会

鈴木 茂幹さん

初の天下人とされる戦国武将「三好長慶」は徳島県三好市三野町の芝生城で生まれたと伝えられている。地元三野町では地域を盛り上げようと三好長慶武者行列まつりが行われており、他の長慶ゆかりの地ともつながりを深め、参加者も年々増加している。ひょんなことがきっかけで始まったこのお祭りは、10年続けていくうちに三好市に欠かすことができない一大イベントとなった。
三好長慶武者行列まつり実行委員会の鈴木さんに三好長慶とお祭りの魅力についてお話を伺った。

鈴木 茂幹さん

三野町のいいところを探していたら三好長慶がいた

畿三好ふるさと会の当番があたって三野町でおもてなしを考えようということになった。滝寺や芝生山、紅葉温泉などが候補にあがり、滝寺の住職に話を聞きに行ったところ、戦国武将「三好長慶」の生誕の地であると教わった。長慶にちなんで武者行列をすれば面白いということになって、知り合いを集めてお祭りを開催したんだ。
初めはそんなに大きくするつもりはなかったけど、方々から人が集まってすごい数になった。こんな風になるとは思わなくてびっくりしたね。感心するやら途方に暮れるやら…、これが一回目。それから毎年11月の第一日曜日に開催しているけど、昨年と今年とコロナの影響で2年間中止だね。見どころは戦国絵巻の甲冑姿。地元の子供たちも武将になるよ。迫力のある鉄砲隊や太鼓の演舞も人気があるね。来年が三好長慶生誕500年なので、記念イベントとして従来と違った催しをしたいと考えているよ。

近畿三好ふるさと会連合会…近畿圏に在住する三好市出身者が旧町村単位でつくる5つの「ふるさと会」で構成されており、各ふるさと会の連携・交流・親睦を図り、郷土三好市の発展に寄与することを目的とし、平成21年5月30日に結成された。

鈴木 茂幹さん

「理世安民」世に道理を広め、民を安んじる

好長慶の活躍は近畿なんだけど、生まれたのは三野町の芝生城と言われている。幼少期は近畿と阿波を行き来していたそうだ。当時は吉野川の水運が盛んで、木材や藍が堺まで船で運ばれていて、ルートがあったんだね。
戦国の世の中は争いが絶えず、どこかで整理しないと平和が訪れないという思いがあった。そこで力をつけた長慶は将軍を追放し、織田信長より20年早く京都をおさめた。非常に人民に慕われていて、親しみをこめて「三好さん」と呼ばれていたそうだよ。人民の声を聞いて人民を動かしていこうという理想があった。それが『理世安民』。彼の信念であり、魅力だね。もう一つの魅力は千利休とも親しく、文化に精通していたところ。合戦の合間にお茶と連歌をたしなんでいたようだよ。
世の中にはあまり知られていない三好長慶だけど、最近になって研究により見直されてきた。そこで彼を大河ドラマにしたら面白いという話が出た。近畿で活躍したので、特に大東市が力を入れているね。こっちでも石碑を立てたり、オリジナル切手を作ったりして、みんなに知ってもらおうと頑張っているよ。でも大河ドラマは一つの通過点。徳島の三好市にこんなに立派な武将がいたということを再認識して、これを元に地域の発信や関係のある近畿との交流を深めて、地域を元気にしようというのが究極の目的。長慶を通して人や物の交流を活発にしていきたいね。

三好市のココに寄ってみんで三好市のココに寄ってみんで

鈴木 茂幹さんのおすすめ
  • 龍頭の滝

    紅葉温泉の少し上にある滝。20mの落差があり迫力満点。車で近くまで行けます。ここから遊歩道を300m登ると金剛の滝、下って右側の道を行くと三好長慶の墓がある滝寺もあるので、一緒に参拝するのがおススメ。

    徳島県三好市三野町加茂野宮

  • 三村用水(岩角の釜所)

    三野町は平地が多く農業が盛んですが、実際はレキや砂地が多く、水はけが良すぎる稲作には不向きな土地です。それを解消するためにできた三村用水は江戸時代に整備され、今でも三野の農地を潤しています。

    徳島県三好市三野町太刀野山

  • 道の駅三野

    県道鳴門池田線沿いにあり、目の前の吉野川に沈む夕日がとても美しいスポット。併設された農産物直売所では三野町内で作られた新鮮な農作物を購入できます。道の駅の下には中央構造線が露出しており、県の天然記念物に指定されています。

    徳島県三好市三野町太刀野1909-1