矢野 亮さん
大手企業在籍のプログラマーでありながら、ふと旅をしながら生活できるのではないかと思い立ち、日本国内のみならず世界各地を移動しながら8年間リモートワークを行っていた矢野亮さん。三好市に移住したきっかけやこれからしたいことなどのお話を伺った。
もともと人の意識や心がどういう風に成り立っているのかが知りたくて大学時代は脳細胞の研究をしていました。卒業する頃には機械的に脳を作ってみたくなっていて、そのためにはプログラムの知識が必要。プログラマーになれば、お金をもらいながらプログラムを習得することができると思ってこの仕事を選びました。
その後、意識や心の研究の一環としていろんな国や地域の人間の生き方を知りたくなり、最終的に社長に直談判して今の働き方をもぎとりました。当時は今と違ってテレワークしてる人なんかいなかった。
1年目は日本中心にまわっていて冬の間は暖かいところに行きたくて、お台場から徳島行のフェリーが出ていたのがきっかけで徳島市に来ました。その時泊まった宿の人からにし阿波が面白いよと紹介されて、次は三好市へ。その時見たハレとケ珈琲が衝撃だった。そのあと行った脇町のゲストハウスも面白かった。ワクワクしている感じが垣間見えて、まちが変わっていくかもなと気になって、それからにし阿波に毎年来ていました。当時東京ではありえなくて面白かったのが2次会3次会になると空いている店が少ないから、逆に人が増えること。地域の人と距離感がすごく近いなと感じました。
そうやって旅していくうちに心ってこういうふうにできあがっているのかなというアイデアが出てきたんだけど、試してみるためには機材などを置く研究所が必要になってきた。それとコロナが始まったのも大きな理由。それまではいい巡りあわせがあればという受け身の状態だったけど、移動が制限される今こそチャンスかなと思って本気で探し始めました。
他の地域でも物件を探したり、知り合いにも相談していたところ、徳島の友人が三好市の空き家バンクに登録有形文化財の古民家が出ているよと教えてくれて、気になってすぐに市役所の地方創生推進課を訪ねていきました。そこからはとんとん拍子で家を手に入れることができました。
家は三好市井川町にあるんだけど、この地区の魅力はまだ始まってないってところかな。三好市の中でも池田とかは第三章くらいに入っているんだけど、ここはまだ第一章。都会からも思ったよりアクセスが良く気軽に来られるし、趣のある空き家はたくさんあるし、相当ポテンシャルを持っていると思う。
次はたくさん詰まっている蔵の中のものを一箱借りる権利を貸し出したいな。儲けるためじゃなくて面白そうなことを発信してこのまちに来るきっかけづくりになればいいなと思っています。
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heso camp
池田町にあるゲストハウス。広い庭があって、とても過ごしやすくて好きです。定額住み放題サービスの「LivingAnywhere Commons」にも登録されていて、宿泊料金も安くておすすめ。
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MINDE みんなのデスク
真鍋屋にあるコワーキングスペース。年間2万4千円でワークスペースを借りられるのは相当いい。(一日だけなら上限500円)。環境も良くて仕事もはかどります。
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辻の渡し
吉野川に架かる美濃田大橋ができるまで渡し船が発着していた場所。信号を渡らずに行けるのがよくて、国道と電車の線路の下をくぐっていくのも面白い。風景も綺麗で癒しスポットです。
空き家改修ビフォーアフター
矢野さんが改修したお家のビフォーアフターを記録している自身のインスタグラム。空き家改修の相談や暮らしについての質問、旅のノウハウなど知りたい方がいれば、なんでもお答えするのでお気軽に質問を!蔵の整理をしてくれる方も募集中です。