とある人から15年くらい前に、「ここには面白いものがいっちょもない」って言われたんよ。だったら作ってやろう！ と。せっかく作るなら地元のものを使おう、そうすればよそからも買いに来てくれる。そう思って開発したのがこの「ぼけあげ」。でも、この大きさの油あげを、形を崩さず、中までふっくら揚げるのは難しい。地元の“揚げ名人”の職人と、さんざん試行錯誤して、完成まで１年半くらいかかったよ。

ここで売っとるのは、地元の爺さん婆さんが作る「地場産＝じーばーさん」のもの。例えば今日ならふきのとうや、祖谷で作られとる「ごうしいも」という芋。豆腐も祖谷で作っとるのは全種類置いとるよ。よそから買いに来た人は「面白そう」と喜んでくれる。食べ方がわからなければ、調理の仕方も教えるで。スーパーで働くスタッフもみな、地元のおばちゃんたちじゃけ。よそのおふくろの味もええもんよ。